活動報告

石井登志郎・西宮市長インタビュー⒂★190101――停電への対応が新たな課題

投稿日 2019年1月1日

私は平成30年9月20日、西宮市役所で石井登志郎市長にインタビューをしました。その詳報をこのブログで25回にわたって連載します。毎週火曜日と金曜日に掲載します。

平成30年9月4日に通過した台風21号の被害が大きかった。この教訓をどのように生かす考えですか。

石井市長 「これによって多くの課題が見えてきました。防災対策についての直接的な答えではないかもしれませんが、情報発信の仕方に強い課題意識をもちました」

かんの 「どういうことですか」

石井市長 「市のホームページに災害や避難に関する情報などを適宜、のせていますが、これはホームページにアクセスした市民にしか伝わりません。市の方から市民に積極的に伝えるプッシュ型の情報発信の仕方をどうするかをもっと考えなくてはなりません。強風や豪雨の中ではうるさくて、防災スピーカーではクリアに情報を伝えられないから、防災スピーカーで何かを言えば、市のホームページなどで確認してくれという意味合いになってしまいます。しかし、防災スピーカーの内容が判然と伝わらなければ、市民を不安にさせかねない面もあります。これだけ情報技術が進展した時代ですから、情報発信のやり方についてもっと工夫して、市民の安心の度合いを高める必要があります」

かんの 「台風21号の被害の特徴は何ですか」

石井市長 「台風21号で一番印象的だったのが停電でした。阪神・淡路大震災以来の大規模な停電といわれ、正直に言えば、想定外でした。マンションなどの集合住宅では断水になりました。本市は苦楽園などの一部を除いて給水車を出しませんでした。それについてご批判があることを承知しています」

かんの 「なぜ給水車を出動させなかったのですか」

石井市長 「私が『給水車を直ちに出動させてください』と指示しなかったのは、戸建て住宅では通常どおり水道が利用できており、集合住宅でも非常用給水栓を利用できたからです。市民からの電話での問い合わせに対しても非常用給水栓について案内したほか、ホームページでも同様の内容を掲載しました。今回は電力会社から停電に関する情報が乏しく、停電区域を特定できなかったことや、停電の範囲が広く、給水車の台数が限られた中での派遣は困難だと判断しました」

かんの 「停電では、携帯電話の充電に困った市民も多くいました。停電が市民生活に深刻な影響を与えることを痛感しました」

石井市長 「停電が3、4日も続くと、大変ですが、これからも発生しうると覚悟も必要です。市民の皆さんが前向きな自助意識をもてるように、どのような情報を提供すればいいか。有事の情報発信と平時の情報発信について課題があぶりだされたと思います」

※⒈台風21号による市内の被害状況
台風21号は平成30年9月4日、西宮市内に大きな被害をもたらしました。市の発表では、22人が軽傷。火災が9件、倒木が240件、道路の冠水が21件、道路の損壊が多数、河川水路の損壊が2件でした。家屋の損壊は多数。公共施設でも床上浸水7件、屋根の破損35件などの被害がありました。市内の約8万2000軒で停電が発生しました。停電の影響で多くの集合住宅でポンプが止まり、断水になりました。多くの市民が携帯電話に充電できず、連絡手段がなくなる危険に直面しました。
大阪管区気象台は平成30年9月14日、台風21号で発生した高潮について現地調査の結果、甲子園浜海浜公園の今津浜地区で標高約3.7メートルに達したと推定されると発表しました。市によりますと、観測地点は違いますが、昭和36年の第二室戸台風で西宮に押し寄せた高潮は2.64メートルだったので、今回の高潮がどれほど大きかったかがよくわかると思います。

石井登志郎・西宮市長
石井登志郎・西宮市長

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