西宮市の市立中学校部活動の地域展開が9月から始まり、部活動の受け皿となる地域クラブ「プレみやクラブ」が市内各地で始動します。元プロ野球選手の水口栄二さんは阪神タイガースの支援を受けて真砂中学校など3中学校を活動場所とする軟式野球の地域クラブを開設します。水口さんは私とのインタビューに応じ、「子供たちに野球の楽しさを伝えたい」と話しました。
この中で、水口さんは「まずキャッチボールやノックなどの練習を通して上達するコツを教える。子供たちは自分が上達していると感じたら、楽しくなり、やる気と向上心が出てくる。試合にできる限り参加するので、練習の成果を実感してもらい、自信をつけさせたい」と抱負を語りました。
水口さんが開設する地域クラブは真砂中を活動場所にする「真砂軟式野球クラブ」と大社中学校を活動場所にする「大社軟式野球クラブ」、瓦木中学校を活動場所にする「瓦木軟式野球クラブ」の3クラブ。
水口さんは自身が代表を務める野球教室「野球心(やきゅうしん)」を通じて3クラブを運営します。3クラブのそれぞれの監督には、水口さんが野球指導の経験者から人選。練習メニューの作成や日常的な指導は監督らに任せ、水口さんは適宜、子供に合った個別指導をするとしています。
練習は週4回で、平日は1日2時間、土日祝日は1日3時間。阪神タイガースからも指導者を派遣してもらい、経済的な支援を受けるとしています。
水口さんは「子供たちの個性や野球に対する考え方などはさまざまなので、それぞれの子供に合ったアドバイスをし、チーム全体のレベルアップを図りたい。中学の3年間で野球の基本と基礎的な身体づくりを行い、高校では、その延長線で成長できるようにしてあげたい」と話しました。
水口さんは野球人口の減少に危機感をもっています。市に対しては「小学生の時からボール遊びなどを通じて体を動かす楽しさを知ってもらえる環境づくりをお願いしたい」と話しました。
水口栄二さんインタビューの主な一問一答
阪神タイガースが支援
―地域クラブを開設するきっかけは。
「西宮市の部活動の地域展開でバスケットボールやバレーボールに比べて野球の地域クラブの数が少ないとの話を聞いた。私は野球教室『野球心』などで子供たちに野球を教えているので、軟式野球の地域クラブを開設して、お役に立てればと考えた」
―水口さんが一軍打撃コーチを務めた阪神タイガースの支援を受けることになっていますが。
「阪神タイガースは野球の競技人口が減少している現状に危機感をもっており、地元の西宮市で部活動の地域展開に貢献したいという方針だ。その一環として、私の地域クラブを支援してくれる。用具の提供をはじめとする経済的支援をはじめ、阪神タイガースが運営し、球団OBが指導を行う子供向け野球スクール『タイガースアカデミー』から指導者を派遣してくれる予定だ」
子供たちの個性を尊重
―指導方針は。
「子供たちと同じ目線で話をしたい。私たち指導者は選手の鏡だと思っている。選手は自分のプレーを直接、見られないから、選手の方から『打撃フォームはどうなっていますか』『さっきのプレーは』などと質問してほしい。こちらから『これをやれ』と一方的に押し付けても、子供は上達しない」
―個性は大切ですか。
「個性的であることは大歓迎だ。打撃でも投球でもフォームを矯正するようなことはしない。子供は骨格も身長も考え方も違う。だから、自分の個性を大切にして伸びてほしい。ただ、変な癖だけは直さなければいけない」
プロで培った技術を子供に
―上達する子供の条件は。
「真面目な子が一番、伸びる。監督やコーチのアドバイスを自分でよく考え、自発的に質問する子がうまくなる。礼儀やあいさつ、キビキビした動作も大切だ」
―子供たちに野球を教えるきっかけは。
「プロ野球の世界に入った時に、すごい選手ばかりでショックを受けた。打撃を強化するため、フォームに関して気づいたことを全て、ノートにメモし始めた。関節の動かし方まで詳しく書いた。ノートは17年間のプロ生活で膨大な量になった。引退後、この技術を子供たちに伝えたら、上達に役立てると考え、野球教室『野球心』を始めた」
水口栄二(みずぐち・えいじ)氏の略歴
昭和44年、愛媛県生まれ。61年の全国高校野球選手権大会で松山商業高校の主将として出場し、準優勝。大会安打最多記録の19安打を記録。早稲田大学を経て、平成2年のドラフト2位で近鉄バファローズに入団。主に二塁手として活躍し、粘り強いバッティングが持ち味。19年にオリックスバファローズで引退。その後、オリックスのコーチとして坂口智隆選手やT-岡田選手らを育て、阪神タイガースのコーチとして日本シリーズの制覇に貢献。
部活動の地域展開とは
市は9月から市立中学校部活動の地域展開を始めます。これに伴って中学校部活動は原則として8月で終了します。少子化が進む中で、学校単位での部活動の維持が難しくなっている現状を踏まえ、多世代にわたって多種目のスポーツ・文化活動ができる環境を地域で整えるのが目的。教員の働き方改革の一環でもあります。地域クラブの登録状況は5月31日現在でスポーツが237活動、文化芸術が99活動。
スポーツチームとの協定について
市は令和7年7月、市と縁のあるスポーツのトップチームである阪神タイガース、楽天ヴィッセル神戸、大阪マーヴェラス、神戸ストークスの4団体のそれぞれと部活動地域展開に関する連携と協力に関する協定を締結しました。阪神タイガースは協定の一環として水口栄二さんの地域クラブを支援します。


かんのニュース★260831――元プロ野球選手の水口栄二さんにインタビュー 真砂中などで軟式野球クラブを開設





