活動報告

かんのニュース★150624――「全員面接」について

投稿日 2015年6月24日

西宮市は本年度の大学卒程度の事務職員採用試験について受験者全員の面接を行うことを発表し、大きな注目を集めています。前年度比7割増の1500人程度の受験者を見込んでおり、住民と接することが多い地方公務員に不可欠なコミュニケーション能力の優劣なども重視して、優秀な人材を採用するのが狙いです。ただ、市は1次での面接と筆記試験の配点などの詳しい試験内容を公表しておらず、1次から最終の3次まで一貫して担当者の主観が入る面接試験が行われることによって、情実採用が生じる危険性を指摘する声も出始めており、徹底して監視していきたいと思います。

この試験は29歳未満対象で、大学卒業程度の学力が必要。申し込みはインターネットだけで受け付けており、締切は6月28日。1~3次の3回で、最終合格者は50人を予定しています。昨年までは1次は筆記だけで、科目は一般常識などを問う教養と法律・経済学などの専門でした。今回は1次で7月に4日間かけて全受験者を個人面接するとともに、筆記もあります。筆記には従来通りの教養・専門試験に加え、SPI(能力検査)も導入し、どちらかを選択できる方式にしています。1次で最終合格者50人の7~8倍程度まで絞り込みます。2次試験は集団面接だけで最終合格者の3~4倍までにします。3次は適正検査と小論文、個人面接等としており、2次以降の試験の方式は従来通りです。

この試験の受験者は12、13年度、1000人を超えていました。民間企業の採用拡大に伴い、14年度は870人にとどまりました。今回は「全員面接」を導入したことが評判を呼び、応募者は大幅に増えており、市は1500人程度になると見込んでいます。
 
市人事課によると、これまでは2次試験の面接段階などでコミュニケーション能力に欠ける受験者が散見されるので、今回から1次の面接で受験者について公務員として基本的な適性を備えているかどうかを判断したいとしています。また、これまでのように1次が教養と専門の筆記だけでは、公務員試験についての受験勉強をしっかりしないと突破するのが難しく、民間企業の採用拡大が続けば、受験者が減少していく危険性があり、民間企業との〝併願〟ができる環境を整えたとしています。

「全員面接」については長い間、人事担当者レベルで導入を検討してきており、今回、今村岳司市長の判断で決まったとしています。

市民からは「面接は担当者の主観が入るため、1次から3次までのすべての段階で面接を導入すると、情実採用が生じる危険性があるのでは」との懸念が出ています。これに対して、市人事課は「これまでも情実採用は一切、行っていないし、今回、面接を導入する1次でも筆記もあるので、システムとしても情実採用が入り込む余地はない」と話しています。

ただ、懸念されるのは1次試験の面接と筆記の配点や面接方法などの詳しい内容について、市人事課は「公正に期し、情報の混乱を避けるため」として公表を避けている点です。このため、市人事課が言うように「システムとしても情実採用が入り込む余地はない」かどうかについて市民が判断できる材料が提供されていません。
 
職員採用に関して、各自治体とも人物評価に重点を置くようになっていますが、応募者全員を面接するケースは全国でも珍しいとのことです。私は「全員面接」の趣旨を理解できますし、賛同できる部分も多いですが、市民が納得できる情報の提供が必要だと考えます。

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