活動報告

石井登志郎・西宮市長インタビュー⑺★181204――硬直性の高さが財政上の一番の問題

投稿日 2018年12月4日

私は9月20日、西宮市役所で石井登志郎市長にインタビューをしました。その詳報をこのブログで25回にわたって連載します。毎週火曜日と金曜日に掲載します。

現在の財政状況と将来の財政見通しをどのように認識していますのか。本市は現在、第5次総合計画を策定していますが、将来の財政見通しはかなり厳しい。石井市長の考えは(その1)

石井市長 「本市の財政で一番問題なのは硬直性です。経常収支比率が他市と比べて高い。私は今、市長として初めての新年度一般会計予算案の作成に取り組むところです。本来は全てを査定するわけですが、義務的経費の大半を占める公債費や職員の人件費を大幅に削ることはできません。つまり、経常収支比率が96.3%(平成29年度)までに達している以上、表向きは財政について首が回らない状態です」

かんの 「義務的経費の中でも職員の人件費が他市と比較して多すぎるレベルにあることは事実ですし、それを減らす努力をしなければいけません」

石井市長 「ただし、〝首の回し方〟に工夫できる余地はあると思います。これまで貯めてきた基金を将来に向けてどのように賢明に使っていくかを考えなければならないという課題もあります。どちらにしろ、数多くの事業を進めなければならない現状を考えると、これからは『入り』より『出』の多い10年間になります」

※⒈経常収支比率とは
財政構造の弾力性を判断する指標で、人件費・扶助費・公債費などの義務的経費(経常経費)に、市税収入などの経常一般財源がどれほど充当されたかを示す比率。数値が低いほど財政にゆとりがあると言えます。給与所得者の家庭に例えると、給料に占める食費やローン返済などの使いみちの決まった支払いの割合をさします。この比率が低ければ、自由に使えるお金が多くなり、家計に余裕があります。本市の場合、平成29年度で96.3%と前年度に比べて0.4ポイント悪化しました。類似都市の数値より高い水準が続いており、弾力性を欠く財政構造になっています。この要因として市職員の人件費の多さなどが指摘されています。

石井登志郎・西宮市長(左)とかんの雅一
石井登志郎・西宮市長(左)とかんの雅一

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